STORY
        
           朝を待ち焦がれて 太陽焦げちゃって 気付いたらもう夕方



    小さな公園がありました。
    “私”が見守っています。
    真っ白なうさぎと一緒です。


 17時から20時。
 弟は姉の背中を追いかけて        3時から6時。
 未知の時間を知りたいのだけど      姉は弄ぶように
 彼に暁は迎えられない。         埋まらない年月の先で弟を見る。
 長すぎる夜を越えられない。       逃げているわけではないけれど
                     宵は白ではなかったから。

 徹夜明け。
 港の見える木陰に座り          反時計回り。
 彼女は絵具を垂らした。         “私”が右手を挙げると
 羽の無い飛行機を眺めながら       彼女は左手を挙げる。
 自分の背中に羽を描いた。        消えそうになっていく彼らの中で
                     彼女は過去を辿ってくれる。
 いつまでも。
 この公園には噂があって         朝を待って。
 真っ白なうさぎが棲んでいるって     屋根の上から見守っている。
 いつの日か、彼女と           生まれ変わるのを見届けている。
 話せるときが来るだろうか。       朝、は、いつ来るのだろう。
                     今日も帰ってこない。

    

    “私”がいなくなった公園に
    また、何かが、始まるそうです。
    

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